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【ブダペスト世界陸上】9日目モーニングセッションコメント:男子マラソン・山下一貴が日本人TOPの12位でゴール!次の戦いは10月開催、MGCでの「一発勝負」へ

2023.08.28


Day9:8月27日(日)モーニングセッション

9日間にわたって行われてきたブダペスト2023世界選手権大会も、あっという間に最終日。大会が始まって2回目の日曜日を迎えた8月27日のモーニングセッションでは、男子マラソンが行われました。会場は、競歩や女子マラソンと同様に英雄広場を発着点とするブダペスト市内の周回コースです。

男子マラソンも午前7時からスタート。スタート時点の気象状況は、気温22℃、湿度77%で、女子が行われた前日よりも、少しだけ涼しく感じられるなかでのレースとなりました。日本からは、山下一貴(三菱重工)、其田健也(JR東日本)、西山和弥(トヨタ自動車)の3選手が出場。ともに序盤は後方に位置してのスタートとなりました。

このなかで、「メダルも見える入賞ライン」へと浮上し、大きな期待を抱かせたのはが山下選手でした。自身が設定したペースを刻んでいくなかで、20kmあたりで先頭集団の前方に浮上し、一時は先頭を引く場面も見せます。32kmを過ぎたあたりでアフリカ勢が仕掛けて、集団は大きくほぐれていく形となりました。山下選手は、ここで無理につかずに、7位グループを形成します。その後、37km付近では6位に、38kmでは5位に浮上。初入賞だけでなく、メダルも見える位置で、終盤を迎えました。しかし、ここで想定外のアクシデント。急に左ふくらはぎに痙攣を起こしてしまったのです。痙攣箇所は両ふくらはぎへと広まってしまったこともあり、大きくペースダウン。大きく折り返してフィニッシュ地点を迎える英雄広場に入ってきたときには12位に後退。その位置を維持したまま、2時間11分19秒・12位でフィニッシュしました。

ともに初出場である其田選手と西山選手は、レースの流れにうまく乗れないなかで暑さのダメージも重なって、中盤以降は苦しい展開に。其田選手は35位(2時間16分40秒)で、西山選手は42位(2時間17分41秒)でレースを終えました。


<8月27日:モーニングセッション競技後コメント>

◎山下一貴(三菱重工)

男子マラソン 決勝12位 2時間11分19秒



38km地点で左脚のふくらはぎが攣ってしまって、それで失速してしまった。予兆は全くなかったのでびっくりした。そこまでは入賞が見える状況で進んでいたので、自分も「これは見る人、面白いんじゃないかな」と思って走っていたのだが(笑)。申し訳ないです。
思ったよりも冷静に走れていたと思う。まあ、途中で飛び出す選手がいなかったからこそ、あの位置だったっていうこともあるが、まあまあそれなりにうまく走ったんじゃないかなと思う。
<中盤や終盤で前に出る場面もあったが、どういう考えだったか、との問いに>
あれは、後ろの集団からちょっと離れて、追いついていくペースでそのまま走れたので、前に出ちゃったというだけ。別に「頑張って出ました」みたいなものではなかった。序盤は前と離された場面もあったが、身体が動いていなかっただけ。前日、監督からも「10kmくらいから(身体が)動いてくるだろう」と言われていた。まあ、その通りになったかな、という感じである。
「自分のペースを守って、走る、走りきる」という意識で走っていて、確固たるレースプランとか決めたものがあったわけではないのだが、それなりによかったのではないかと思う。
初めての世界選手権、かなり緊張して、20kmくらいまでは吐きそうだった。隣に其田さんがいたので、其田さんに話しかけて(笑)、ちょっとリラックスさせていただいた。
暑さについては、今回、脚が攣ってしまったので、夏のマラソンは難しいということを改めて感じた。今回、有力な選手が少なくなったなかではあったが、あの位置で走れたことは日本勢も戦えるのではないかと思う。
攣ったあとも本当はペースを落としたくなかったし、あと2人は抜きたいと思っていたので、(痙攣していない)「右脚頑張れ」と思って(笑)走っていたが、そうしたら右脚も攣りだしたので、「とにかくゴールしないと」という思いで走った。
今後に向けて、いい経験になったのではないかと思うと同時に、同じチームの三菱(重工)の人も、「山下が走れるというなら(自分も)走れる」と言っていると思うので(笑)。みんなの自信になったらいいなと思う。また、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ:10月15日実施)にも出場する予定で進めている。MGCもたぶん暑くなると思う。暑さ対策をもっとちゃんとして、優勝を目指して臨みたい。


◎其田健也(JR東日本)

男子マラソン 決勝35位 2時間16分40秒



初めての世界選手権は悔しい結果となった。暑さに対する耐性をつけなければ夏のオリンピックや世界選手権では戦えないと感じた。
レースの記憶はあまり残っていないが、先頭で進められず、全く勝負にならず情けない走りになってしまった。
また日の丸を背負いたい。勝負できる力をつけてリベンジしたい。


◎西山和弥(トヨタ自動車)

男子マラソン 決勝42位 2時間17分41秒



経験だけでは終わらせず、勝負に参加したかったが、それができなくて、とても悔しい。世界で戦う難しさ、マラソンの難しさを改めて感じた。
スタートから順調で、一度後れてからも15kmで先頭集団に追いついたのだが、20kmくらいからつらくなってしまった。30kmくらいからは粘ることもできず、(以降の状況は)あまり覚えていない。
今度こそは世界の舞台で勝負したいと思う。もう一度この舞台に立てるように頑張りたい。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト



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