【ブダペスト世界陸上】男女マラソン事前会見コメント:其田・山下・西山、松田・加世田・佐藤がトレーニングの経過や本番に向けた戦略、抱負を語る
2023.08.26
ブダペスト世界選手権日本代表選手団は8月24日午後、大会第8日の8月26日(女子)および最終日の8月27日(男子)の朝に開催される男女マラソンの事前会見を、ブダペスト市街に設営されたアシックスハウスにおいて開催しました。会見には、男子代表の其田健也(JR東日本)、山下一貴(三菱重工)、西山和弥(トヨタ自動車)の3選手と、女子代表の松田瑞生(ダイハツ)、加世田梨花(ダイハツ)、佐藤早也伽(積水化学)の3選手が出席。それぞれに、ここまでのトレーニングの経過や本番に向けた戦略、抱負を話しました。
【男子マラソン代表選手コメント】
◎其田健也(JR東日本)
今の心境は、緊張しているというよりは楽しみのほうが大きい。今回、8位入賞を1つの目的にしている。世界選手権だからといって硬くなることなく、いつも通りのレースをできればと思う。
今まで走ったレースでは、ずっと自己ベストを更新してる。その安定感は自分の強みかな、と思う。世界選手権は、「行くところ、引くところ」をしっかり判断しつつ、しっかりとケニア勢に食らいついていきたい。
今回は、5月くらいから走り込みの時期を開始し、いつもよりも1カ月くらい長い期間を走り込みに充ててきた。そのため、足つくりは今までよりも強化した部分で、暑さについては、思ったよりも暑いなという印象である。スタート時間の午前7時だと、まだ涼しいかなと感じるが、後半になるにつれ、どんどん暑くなりそうに思う。給水の取り方などに、気をつけたい。
コースの印象は、直線が長いコースなので、精神的にすごく長く感じてしまうところがある。集団から離れないことが大事なので、集団から離れないようにして、しっかり走っていきたい。また、比較的アップダウンは少ないが、橋のところやトンネルを過ぎたあたりにアップダウンがある。そこで力を使わないように温存しながら行きたい。気をつけなければいけないところは、多少石畳の場所があるので、そこはしっかり注意しながら走っていきたい。
◎山下一貴(三菱重工)
初めての日本代表ということで、今は、とても楽しみにしている気持ちが大きい。レースでは入賞することを目標にしている。
自分の強みは、「安定感のあるところ」。そこを、自身の強みにしていきたいと思っている。あとはマイペースなところかなと思っている。
ここまでの練習については、それなりに順調に来ていたが、最後の10日くらいのところで若干落ち気味になっている。ここからしっかり調整していきたいと思っているところである。暑さについては、結構涼しいレースになるんじゃないかという前情報を持っていたが、思ったよりも暑くなりそうだということを、ブダペストに入ってからずっと感じていた。今日、少し涼しくなってきたように思うし、コースが平坦であるということもあり、それなりにタイムも出せて、いいレースになるのではないかと思う。暑さに関しては特に苦手意識もないので、そんなに気にしていない。
今回は、マラソン練習の期間が少し短めになっているなかで、1日1日のジョグの距離とかを少しでも長くしようと意識してきた。
コースの印象としては、すごく平坦で、西山選手と同様に、街並みがすごくきれいなコースだと思った。あと足場の悪いところがあるので、そこで気をつけたい。あと、これは自分の言葉ではないのだが、「アップダウンの少ないコースなので、頑張りどころをつくるのがすごく難しいコースとなってくると思う」と言われたことがあるので、しっかり自分の頑張りどころをつくって、ポイントポイントでしっかり狙えたらいいなと思う。
◎西山和弥(トヨタ自動車)
今の心境は、緊張もあり、わくわくする気持ちもある。今のところは楽しみのほうが大きいが、レース前になったら少し緊張するかもしれない。目標は8位入賞を掲げている。自分の持ち味のある攻めの走りが、ここでも臆することなく出せれば…と思っている。
自分の強みは、42kmを最後まで押しきれるところだと思う。あとは、海外勢とスピードというところで勝負する練習をしてきた。
暑さ対策については、自分は人より発汗量が多いので、前半の涼しい時間帯は大丈夫だと思うが、終盤で暑くなってきたときのことを考えて、給水は冬のマラソンとよりも大切にとっていくようにしたい。また、氷などをうまく利用しながら走っていきたいと思っている。
また、コースの印象がすごく平坦であること、また、街並みがすごくきれいで、試走していて感動した。気をつける点としては、石畳のところに足場の悪いところがあること。そこで足をとられないように注意しながら走っていきたい。
【女子マラソン代表選手コメント】
◎松田瑞生(ダイハツ)
この素晴らしい街並みを見ながら走るというのは、すごく光栄なこと。全力で楽しみながら走りたい。大会に向けては、加世田と一緒にアルバカーキで合宿してきた。合宿の消化(状況)はちょっとよくわからないが、まずはハンガリーのここで、スタートラインに立てるということが、そういう結果(を物語っている)かなと思っている。
コースの印象は、日本にはない雰囲気。やはりヨーロッパというのは街並みが本当にきれいで、そういう部分では、すごく幸せなコースかなと思う。一方で、コース上に石畳の場所が少しあったりロードの端がガタガタしたりしている部分がある。そこは中心のほうを走るなど工夫する必要がある。また、橋があるので、そこでうまくリズムをつくることができたらと思う。
<レースでポイントになるのは? の問いに>
ポイントとなるのは、スローになるかハイペースになるかは、本当にスタートラインに立たないとわからないということ。暑さもあるのでスローになるかなとは思うが、その予想は、去年(のオレゴン大会)でははるかに超えて、ハイペースで進んだ。「スタートしてみないとわからない」という、その心構えが大切だと思う。
自分の強みは、どんな状況であっても、諦めずに取り組めるところ。今までマラソンをしてきて、たくさんの方に応援してもらって今がある。私のマラソン人生の生き様を、たくさんの方に伝えたい。
◎加世田梨花(ダイハツ)
初めての世界選手権を目前に控えて、どんな走りができるか、すごくわくわくしている。レースでは入賞を目標に、積極的な走りをしていきたい。
世界遺産の街並みということで、コースがすごく綺麗だなと(練習で)走っていて思った。私はマラソンを過去に2回走ってきて、これで3回目だが、今回、初めて10kmを4回走る周回コースに臨むことになる。そこでどういうモチベーションになるのかは、走ってみないとわからない。そこまで起伏が多い印象はないので、そのなかでどういった戦いをしていくかが大事かなと思う。
暑さについては、確かに暑いとは思うのだが、合宿していたアメリカもけっこう暑くて、そこで暑さ強化はしてきたつもり。後半のきつくなってからの粘りが自分の強み。レースでも、そういったところしっかり出せたらいいなと思う。
<レースでポイントになるのは? との問いに>
レースのポイントは、「始まらないとわからない」ということ。ただ、どんな展開になったとしても、レースが動いたときにしっかり、勝負のタイミングを見逃さないようにしたい。行くなら行くと自分で勝負の見極めを大切にしていけたら…。30kmあたりから入賞が狙える勝負がついてくると思う。勝負時を見逃さないところを大切にしていきたい。
私がマラソンを走るために、いろいろな方々が支え、応援してくださっている。そういった方々の期待に応えられる走りをしたい。初めての世界陸上だが、出るだけで満足して終わるレースには絶対にしたくないと思っている。結果を出して自分のプラスになる経験にしたい。
◎佐藤早也伽(積水化学)
初めての世界選手権出場ということで、レースを控えた今、すごくわくわくした気持ちでいる。目標は入賞すること。最後まで粘り強い走りをしたい。
この大会に向けて、今年は7月10日から8月17日まで、アメリカのコロラド州で合宿をした。マラソンでの高地合宿は初めて。監督から出していただいたメニューをしっかりこなすことを意識して走り込みをしてきた。
街の印象は、すごくきれいだなというもの。(暑さが予想されているので)暑さ対策として、水分とかをしっかり摂って、脱水にならないように気をつけようと思う。
<レースでは何がポイントになると思うか? の問いに>
ポイントになるものは、レース展開によると思うし、後半には差も出てくると思う。まずはきつくなったところでしっかり粘り、自分の目標を達成できればいいなと思う。
ここに来るまでには、たくさんの方に応援していただき、すごくサポートもよくしていただいた。そういった人たちに結果で恩返しできれば…と思っている。
※コメントは、記者会見における各競技者の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正・編集・補足説明を施しています。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ
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