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【MGCファイナリスト】村澤明伸選手インタビュー Vol.2

2017.11.29

2020年東京オリンピック男女マラソンでのメダル獲得を目指す日本陸連は、選手強化とリンクさせた新たな選考方法を導入しました( http://www.mgc42195.jp/mgc/ )。2019年9月以降に開催される五輪選考会「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)」への出場権を懸けて、選手たちがまず挑むのは、国内指定競技会によって構成される「MGCシリーズ」。ファーストシーズンとなる2017-2018年は、8月27日の北海道マラソン(男女)を皮切りに、11月12日にさいたま国際マラソン(女子)が実施されました。年内には、このあと12月3日に福岡国際マラソン(男子)が。本格的なロードシーズンの訪れとともに、その戦いも、一段と白熱していきそうです。
 ここでは、北海道マラソンの男子の部を制し、MGCファイナリスト第1号となった村澤明伸選手(日清食品グループ)へのインタビューをお届けします。11月中旬、千葉県富津市で合宿中の村澤選手を訪ねて、MGC進出を決めた北海道マラソンを振り返っていただくとともに、現在の状況や今後の計画、そして、マラソンに懸ける思いを伺いました。 

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◎取材・構成/児玉育美(JAAFメディアチーム)


自分の強みと弱み、どんなところ?


――村澤選手は、自分の強みって、どんなところだと思いますか?
村澤:えー、なんですかね…。(少し考え込んで)…最近は、そういうのをあまり自分で考えることがなくなったというか…。そういうのは周りの人が決めてくれればいいかなというのがあるので…。これからやっていくなかで見つけていけたらいいなと思います。
――じゃあ、今までは周りから、どういうふうに評価されていました? よく言われたこととかはありますか?
村澤:(同席していたチーム関係者のほうを見て)なんて言われていましたっけ?(笑)
元村大地選手:自分のペースでぐいぐい行って、1人でレースをつくれることです。
村澤:おおー(と言いつつも、納得できているか否か微妙な様子を見せる)。
一同:爆笑。大丈夫? ピンと来てる?
板山学コーチ:大丈夫。間違いない(笑)。
――じゃあ、逆に、これから改善していかなければと思っているところや“ここは弱い”という点はありますか?
村澤:ああ、そういったところははっきりしています。初めてのマラソンとなったびわ湖(国際マラソン)は、最初、(1km)3分くらいのペースで進んだのですが、35kmで完璧に足が止まっていました。そのときに、自分にとって3分のペースは速いということが1つの課題となりました。そして、次の北海道マラソンは、だいたい(5km)16分前後で進んだレースだったのですが、そういったペースであれば42.195kmを走りきることができるということがわかりました。では、そのペースをどれだけ上げていけるかというところが、今後の自分の課題になっていくと感じています。
――でも、北海道マラソンでは、終盤で(5km16分のペースを)もっと上げていって、まとめることができていましたよね。
村澤:ただ、あれは、あくまで結果かな、と。25km以降にレースが動いたとき、僕はそこで反応しなかった…というか、できなかったというのが正直なところで、そのまま先頭集団が行ってしまったらしょうがないと思っていたんです。でも、本当に勝負することを考えたときはあそこでやはり(反応できる状況でいないと)…。(終盤で)行ける自信があってそういう判断をしたのか、(レースの動きについて)行けなくてそういう判断をしたのかでは話は変わってきます。だから北海道で後半ペースを上げられたのは、あくまで結果的にそうなっただけだと。逆に、自分としては、“上げられるところまで上げることができなかった”という受け止め方をしています。
――後半失速してしまったびわ湖の反省を踏まえての展開ということもあった?
村澤:はい。白水昭興総監督からも「ちゃんとした足取りで帰ってこい」と言われていましたし、それが一番の目的だったので。もし、北海道で同じように後半で足が止まってしまったら、本当に何一つ目的を達成できていないことになってしまいますから。そういう意味では、びわ湖のああいうケースから、まず1つの課題はクリアできたのかなと感じています。


東京オリンピックまでのロードマップ

 

――村澤選手は、最終的に、マラソンでオリンピックを狙うということですが、東京オリンピックに向けて、今後、どういう展開を想定していますか?
村澤:正直、今、自分の頭にあるのは、次のマラソンのことしかないです。というのも、まだ、次が3回目のマラソン。自分としてはまだ何もわかっていないというか、1つ1つの課題を1つ1つのレースでクリアしていくというような、そういう形で進んできていますから。また、“2019年に選考(MGC)があって、2020年に本番(オリンピック)がある”と自分が逆算し始めると、また以前と同じことを繰り返してしまうという思いもあります。
 まずは今の自分の状態に合わせて1つ1つ練習を積み上げていって、そのなかで次のレースを走り、そこで見つかった課題を次のレースにつなげていく。そして、そういったなかで、「あ、次は2019年の選考か」「次は東京オリンピックか」と進んでいったらいいなと思っています。なので、東京オリンピックまでの展望というのは見えていないというのが正直なところですね。
――では、2月か3月あたりになるであろう、“次のマラソン”に向けて、今、課題にしていることは?
村澤:まずは、前回のレース(北海道マラソン)で、距離に対して“走りきれる”ということがわかったので、先ほども言ったように、自分が42.195kmを走りきれるペースをどれだけ上げていけるかというところに課題と目的を持ってやっています。
――具体的に何か変化してきていますか?
村澤:びわ湖、北海道と、ポイント練習の走距離はあまり変わっていないで。ただ、気持ちの面でも自分のなかで当たり前になってきているというか、ようやくロングインターバルや給水に対して普通にこなすような感覚になってきています。そうなって初めてペースに対しての味付けというか、そういう部分がこなせていけるのかなと思っているのですが、ようやく今、その段階に来たのかなと思っています。
――今日は40km走を行っていましたね。
村澤:はい、距離を消化するための、ごく普通の練習です。だいぶ40km走という練習が、一つの練習として身体に馴染んできているなという感覚はあります。
――そうした現状で、次のレースで目指すのは?
村澤:やはりある程度、タイムと順位を狙っていくのが、次の段階かなと感じています。
――5km何分ペースとか、1km何分ペースとか、だんだんペースを上げていくとか、具体的にイメージしているものはあるのですか?
村澤:そうですね、だいたいはありますね。…というところだけにしておきます(笑)。
――なるほど。じゃあ、もう少し突っ込んで(笑)。それは、びわ湖のときと比べると?
村澤:キロ(1km)3分よりも? キロ3分よりは遅いです。
――ただ、北海道のときよりは速い…。
村澤:そうですね。
――イメージとしては、後半上げていくイメージなのですか? それとも前半から押していく感じ?
村澤:20kmのレースだったら押していく感覚ですが、フルマラソンに関してはまだ2回しか走っていないので、そこまでの感覚はまだ持っていません。
――そのあたりもこれから探っていく?
村澤:そうですね。ただ、あくまでそれは日本のレースだけの話かなと思いますね。それ以外のレース、また、勝負がかかったレースになると、そういうわけにはいきません。そこはまた話が変わってくると思いますね。 


“強い選手”“勝ちにこだわったレースができる選手”になりたい

 
――東京オリンピックを目指すということでは、ライバルとなってくる選手もたくさんいます。ご自身のなかで意識している選手はいらっしゃいますか?
村澤:あまり考えたことはないですね。自分自身も含めて2年後、どうなっているかはわからないですし。正直言って自分のことで精一杯かな、と。
――もうすぐ、次のMGCレースとなる福岡国際マラソンがあります。「こういうレースになりそうだな」とかのイメージはありますか?
村澤:いや、あんまりないですね。
――将来的にMGCで競うことになる選手が走るわけですが、この人が来そうというような予測は?
村澤: 2人か3人くらいは(MGC出場資格となる記録を)切るのかなと思っていますが、それが誰かというのはちょっとわからないです。
――村澤選手は、マラソンでどういうレースがしてみたいですか? あるいは、将来的にこういう走りができるようになりたいというのはありますか?
村澤:イメージとしてはやはり“強い選手になりたいな”というのはありますね。タイムももちろん狙っていきたいというのはあるのですが、それはあくまで結果というふうに感じているので。“勝ちにこだわったレースができる選手”になりたいなと思います。
――勝ちにこだわったレースができるようになるためには、何が必要になってくると思いますか?
村澤:そうですね。練習することですね。…(笑)。すみません、それではちょっとざっくりしすぎですよね(笑)。
 やはり、自分の状態を冷静に判断して積み上げていくということが、今の自分には本当に大切なことだと感じています。それこそ、“周りの人が結果を出したから”とか、“周りの人がこういうことをやっているから”とかということでぶれてしまうのではなく、今、自分に必要だと思ったことをしっかりと積み重ねてやっていきたい。それが、先ほどの話にもあった“自分の強み”になってくるのかなと…。そういう自分の強みをつくるためにもしっかりと、土台と自分らしさとを1つ1つ積み上げていけたらいいなと思います。
――マラソンでの“自分らしさ”というのは、まだ完全には見えていないということですね。
村澤:はい、そうですね。
――どんなマラソンランナーとなっていくのか、これからが楽しみです。本日はありがとうございました。

写真提供:日清食品グループ

(2017年11月16日収録)

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